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                           第二号   2004/06/28
   「 新 ・ 物 語 解 析 」
    〜 宮崎駿監督「魔法使いハウルと動く城」を原作からつくっちゃおう! 〜

 ● 01 ● ハウルの方向性を確認してみる              :[ 01 ]
 ● 02 ● 殺しては行けない部分を探す               :[ 02 ]
 ● 03 ● 人間関係を把握する                   :[ 03 ]
 ● 04 ● 【おわりに】  キラーブックに出会いました       :[ 04 ]

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 こんばんわ! 物語解析のhikaliです。
 新・物語解析にご登録頂きましてありがとうございます。

 本日より、新・物語解析「わたし流『ハウルの動く城』をつくっちゃ
おう!」を開始します。このメールマガジンは、今年の秋にも公開予定
と言われる宮崎駿監督「ハウルの動く城」の公開に先駆け、その映画版
ストーリーを原作より作ってしまうという超早取り(<早取りすぎ……)
なメールマガジンです。原作となる「魔法使いハウルと火の悪魔」を読破
していないとついてこれないかもしれない、豪快な企画ですが、みなさま
最後までよろしくお願いいたします。


 ● 01 ● ハウルの方向性を確認してみる              :[ 01 ]

 さて、前回の新・物語解析で、「魔法使いハウルと火の悪魔」を映画化
する際、問題となりそうな部分を上げ、問題点を明確にしてみました。そ
の際、大きな問題点として浮上してきたのが、
 「ハウル」は映画にするには複雑すぎる
 という問題でした。
 ざっと見ただけでも、でるわでるわ登場人物(^_^;
 念のため確認したハウル第二弾(?)「アブダラと魔法の絨毯」には、
なんと30人のお姫様が……。どうするんだこれと思いきや、ちゃんと使
い切ろうとするから、本当にジョーンズという作家はてんこもりの登場人
物を出したい人なのですね(ついでに言うと、第二弾で登場する設定は映
画版「ハウル」には使えなそうでした)。

 さてでは、映画に向いた適正人数まで人物を減らして効率のよい物語に
してしまおう! といきたいところなのですが、何の指針もないまま削る
わけにはいきません。なんたって、「めくるめくプロット」が原作者ジョ
ーンズの楽しい物語を支えているのです。この強みを活かしながら、物語
の効率化を成し遂げなければいけません。まずは大枠から考える必要があ
ります。

 ■背景はどうなっているか

 物語の大枠を捉えるのに最も注目すべき点は、背景です。
 物語の四要素として、「人物」「舞台」「道具」そして「決り事(背景
)」を物語解析は解析の対象とし、分析を試みています。そのうちの背景
は他の三要素とは違い能動的な行動をとらないので、物語の動きを一番大
きな意味で左右する約束事となります。
 フィリップ・K・ディックのような良質の背景を持つSFを見ると分る
ように、ただ単に「時間が逆回りになっている世界」というアイデアだけ
で、物語の下地が出来てしまうほどなのです。
 SFだけでなく、ファンタジーも同じようなことが言えます。
 『指輪物語』と『ハリー・ポッター』とでは同じファンタジーでありな
がら、ずいぶん物語が違います。ではこの二作品の背景にはどのような違
いがあるでしょうか。うーん、たくさんありそうですね(^_^; 歴史も
設定もずいぶん違います。まずはそのような点に目を配って、「ハウル」
を読み解いてみましょう。

 ■魔法が身近な世界

 まずはじめに気付く約束事は、魔法がとても身近な世界であるという事
ではないでしょうか。ソフィーはいとも簡単に魔法を使いますし、三姉妹
はなんらかの形で魔法に関わります。特別な修行なんてお構いなしです。
最後は全員が魔法使いと結ばれる結末。この世界において、魔法使いは地
位が高く、しかも簡単になれます。(これはどうもインガリー国だけの事
情のようです。アブダラではインガリーが魔法使いの国ということになっ
ています)

 第二に、強力な魔法使いになるためには、どうも悪魔と契約を結ばなけ
ればならないようです。ハウルと荒野の魔女という二大魔法使いはともに
火の悪魔と契約しています。その結果、荒野の魔女は火の悪魔に操られる
結果になり、非人間的な行為を働きます。強い力を得るには悪い奴と組ま
ないと駄目、というのがこの世界の約束のようです。

 その結果、二種類の魔法使いがいることになります。
 勉強すれば誰でもなれる魔法使いと悪魔と契約したスーパー魔法使いです。
 そしてどうも、悪魔と契約をしたがる魔法使いは性格も悪いようです。
 インガリーには火の悪魔と契約をしている魔法使いは二人しかいません。
 「ハウル」と「荒野の魔女」。
 この二人がぶつかり合うことが(協力しても物語に波乱が生れないので)、
背景から読みとれる対立構造のようです。そして、原作中でも対立します。

 ■王様が困ってハウルに助けを求めている

 さて、次は分りにくいかも知れませんが、この物語では王様がハウルに
助けを求めていることが上げられます。なんでも、宮廷魔術師と王弟が行
方不明でなんとかして欲しいそうなのです。

 ん? おや?
 と思った人は鋭いかも知れません。
 王様って人物じゃないの? と思ったのではないでしょうか。
 確かに王様は人物なのですが、王様の命令(お願い?)となるとちょっ
と違うことが分るでしょうか。なんたって、インガリー国の法律は王様で
す。法律が背景に分類されると同じように、国中に影響を与える要人の言
動は背景に分類した方が上手く整理が出来ます。
 例えば、現代の金融界においてFRB議長の発言は、相場を動かします。
もしあなたがFRB議長の友人であったとしても、同程度の影響力を金融
界に与えられないのであれば、発言はあなたにとって背景世界です。休日
にフライフィッシングの釣竿の選び方について発言しあうのとはちょっと
違います。この場合の発言に人間関係はないのです。

 ハウルを振返ってみると、実はこの部分が少しだけ揺らいでいます。
 なんとハウルは大胆にも王様のお願いを無視して(?)、女の子の恋心
を追い続けるのです。そのため背景世界での物語が全く進展せず、それで
いいのかと思うほど背景世界がおざなりにされてしまうのです。
 しかも、その始末はかなり緩い整合性で実現されています。何のために、
王様が困っているという背景をつけたのか分らなくなってきます。
 これは困りました。
 原因はなんでしょうか。

 この問題の原因を突き詰めて行くと、「宮廷魔術師」と「王弟」が行方
不明なことに切迫感がない、という事が上げられます。そのために、ハウ
ルの行動が後回しにされ、目の前の楽しいことに登場人物が夢中になるの
です。
 何故、行方不明なのでしょう。荒野の魔女にやられたからです。
 では何故、切迫感がないのでしょう。
 分ってきたでしょうか。実は荒野の魔女が、あまりインガリー国にとって
の脅威として、国民全てを不幸にする存在として取上げられていないのです。
また、「宮廷魔術師」と「王弟」をハウルたちが探さなければならない切実
な理由もありません。この二人が行方不明という背景世界の一大事が、物語
のキーとならないのです。
 困りましたねぇ(^_^;
 では、荒野の魔女を恐ろしい脅威にしてしまいましょう。
 そして、二人の行方不明を物語の鍵とさせましょう。
 難しそうですが、何とかなりそうです。

 他に目立つ背景はあるでしょうか。
 「ハウルが若い女の心臓を食べるという噂」これは立派な背景です。十
分に機能していて、問題はなさそうなのでいじらない事にしましょう。こ
れで街の人にハウルがどう見られているかが分ります。
 「いくつもの平行世界がある」というのもあります。これはやっかいな
上にあまり効果的には使われていません。整理の対象にリストアップして
おきましょう。
 「流れ星に心臓を与えると火の悪魔になる」というのもありましたね。
特に問題はないので放っておきましょう。
 「予言」これは物語的に全く意味がありません。強引で、数多くの問題
を引き起していますので、この背景は削除します。

 他にも細かい背景があるのですが、特に問題を引き起しているものは見
受けられませんので、背景の分析はこの辺にしておきましょう。

 ■動く城は魅力的か

 さて、背景の次に注目すべきは「舞台」です。舞台はインガリー国とい
う大きな舞台からソフィーの家まで様々なサイズのものがありますが、こ
れはそこにあふれる人々に大きな影響を与えます。

 「ハウル」の中に登場する様々な舞台の中で、一番重要なのは、「動く
城」です。なんたってタイトルにもなっている重要舞台。ハウルよりソフ
ィーより、この物語を特徴付けているのは、この「動く城」なのです。…
…と言いたいのですが、実は原作を丁寧に読み解いていけば、この動く城
が「あんまり動いていない」といいますか、「動く必要性を感じない」こ
とに気付くかと思います。

 ジョーンズ自身の言葉にも「動く城の話は書かないのか?」といわれて
書き始めたとあるのですが、想像するに、書いているうちにソフィーとハ
ウルの恋愛話の方が面白くなってしまって、「動く城」のことがおざなり
になってしまったのではないかと思えるのです。「動く城」は舞台と舞台
をつなげるステーションとして活躍をしてはいるのですが、肝心の「城」
があんまり城らしい活躍をしません。
 何故でしょうか。
 城が必要なような敵が存在していないからです。

 ■ここが足りない! ハウルと動く城

 さて、ここまでくると、この原作「ハウル」の不足している点をだいぶ
洗い出すことが出来ました。
 「荒野の魔女が脅威でないことが、背景世界の進展の停滞させている」
  →荒野の魔女の脅威の大きさが不足している。
 「宮廷魔術師と王弟の行方不明が物語のキーとならない」
  →何とか物語上重要な転機を生み出すように変更しましょう。
 「動く城があまり活躍していない。というか城の意味があまりない」
  →城が必要な敵を作る。つまり数多くの攻寄せる敵が必要です。
 うーん、よく見るとかなり大幅な修正が必要になりそうですね。
 原作を殺さないよう、この大手術を行ってしまいましょう。

 ● 02 ● 殺しては行けない部分を探す              :[ 02 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄               

 さて、「背景」「舞台」と見てきましたので次は「人物」です。
 これまで、「足りない」「不整合」などと欠点ばかりを上げてきました
が、ここからがジョーンズの本領です。ジョーンズは「人物」と「道具」
の使い方に非常に優れているようです。まるで手品を見るように鮮やかに、
数多くの人物と道具を操っています。

 「ハウルと動く城」の本質をさらりと言ってしまうと、これは「男の子
の世界」と「女の子の世界」の衝突と理解です。その周りにいくつもの世
界がありますが、この物語は「ハウル周り」の男ばかりの世界と「ソフィ
ー周り」の女の子ばかりの世界が出会い、絡み合い、融合するという所が
本質です。
 それとは別に「権威の世界」もしくは「大人の世界」があるのですが、
こちらはあまり積極的に「ハウルたちの絡み合い」に参加はしてきません。
この部分はちょっと問題なので、多少の修正を加えましょう。

 このとても興味深いながらもなかなか描く人がいなかった物語をジョーン
ズはとても巧みに描いています。宮崎アニメにも描き切れていない内容であ
り、また、古今東西わたしが知っている限りの作品を上げてみても、うーん、
と唸らざる負えないのが本音です。
 ハリー・ポッターに「女の子の世界」がありますか?
 ドラえもんは? ちびまる子ちゃんは? サザエさんは?
 少なくとも、双方がカルチャーショックを受けるような出会い方だけはし
ていないように思えます。
 ロミオとジュリエットぐらいでしょうか。ちゃんと描き分けて、個々の世
界が混じり合う事で物語が動いていくのは。しかも、ジョーンズの作品は、
直接的で短絡的で機能的なシェイクスピアとは違い、間接的で深謀に富み、
そして機能よりは感情を重視した制御の難しい物語になっています。
 メスを入れる事がいかに難しいか分るかと思います。
 ジョーンズの作品の心臓部はとても活気に満ちていて、複雑なのです。

 ● 03 ● 人間関係を把握する                      :[ 03 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄ 

 ではまず、人間関係図を作ることから始めましょう。
 人間関係図を作ることはとても面倒な事に思えるかも知れませんが、書きさ
えすれば、その全体像を把握し整理することに必ず繋がります。「めんどうく
さい」と七音も使ってしゃべるぐらいならば、まずソフィーと紙に書いてみま
しょう。
 その瞬間に世界が開けます。

 では整理をしてみましょう
 ・ソフィー周り
  ソフィー
  └レティー
  └マーサ
   あまり重要でない人たち:両親・職人

 ・ハウル周り
  └マイケル
  └カルシファー(火の悪魔)
   全く重要でない人たち:ウェールズの者たち

 これが原作の主要登場人物です。
 そぎ落してみると、この6人が主要な登場人物、あれだけ複雑なプロット
が実はこの小さなグループを中心に動いているからびっくりします。
 これを書き出してみて、わたしもはじめて気付いたのですが、ジョーンズ
はこの6人にこれでもかというぐらい強い関係線を引きます。例えば、カル
シファーとソフィー。ハウルの心臓である(実際に心臓を預けているのです
が)カルシファーにいきなりソフィーは独自の人間関係を結びます。
 また、これはわたしも見逃していたのですが、ソフィー周りも、ソフィー
──レティー、ソフィー──マーサという関係があるだけでなく、レティー
──マーサという強い関係線があります。物語の冒頭部に、レティーとマー
サが入れ替っているという設定がありました。当初、わたしは「これは意味
のない設定である」と思っていたのですが、よくよく考えて見ればこの二人
を強く結ぶ関係線を作り出すための設定だったのです。
 危うく、「原作ハウルの生命線」を切ってしまうところでした(^_^;
 ですが、あまり上手に使い切れていない気もしますので、後ほど積極的に
この設定を使う方法を考えてみることにしてみましょう。

 このように見ていくと、原作ハウルの面白さの中核にある物語構造は、こ
の中核メンバーを軸にしていることが分ります。この6人に注目し、構造を
理解して行けば、物語を壊すことはあまりないでしょう。
 この部分にはメスを入れないことにします。

 ■問題のある人間関係

 さて、ここからが手術が必要な部分です。
 さきほどもお話ししましたとおり、この原作を映画化するには修正を
施さなければならない、部分があります。どこから始めたらよいでしょうか。
どこから始めるべきでしょうか。これは簡単です。荒野の魔女から始めまし
ょう。

 ■荒野の魔女を脅威にする

 荒野の魔女は、原作の設定に従えば、火の悪魔に心を乗っ取られた非人間的
で強大な魔女と言うことになっています。ですが、その割には「あまり非人間
的な行動をとらず」「大して強大ではないように見える」という不足点があり
ます。
 例えば、指輪物語でとてつもなく強大に見えるサウルンはどういう設定を
持っているでしょうか。色々あるのですが、これが一番強力ではないでしょう
か。
 「大軍隊を持っている」
 ハリー・ポッターの敵はどうでしょうか。
 「操ることの出来る手下をたくさん持っている」
 そうなんです。荒野の魔女に足りないのは、複雑な過去や人間関係ではなく、
とても単純なことに、「優秀な部下がいない」という部分なのです。ジェイキ
ンズとかいうのが出てきますが、これでは不足。出来ればあちこちに荒野の魔
女の部下かも知れない人が散らばっている方がよいです。また、指輪物語のよ
うに恐ろしい怪物を作ることが出来て、それを大軍隊として持っている事にし
ましょう。
 脅威になってきましたね。
 ついでに、原作ではインガリーが他国と戦っているという設定があるので、
これを荒野の魔女との戦いに変えます。これで、ハウルが積極的に背景世界に
関わる必要性が出てきました。インガリーが戦っているのであれば、宮廷魔術
師や王弟が荒野の魔女にやられてしまったこともとても説得力があります。

 新たに設定された荒野の魔女周りの人間関係は次の通りです。

 荒野の魔女
 └部下(何人か)
  └操ることの出来る怪物軍団
 └インガリーに潜む裏切者(何人か)

 また、インガリー国周りの人間関係との戦争状態。

 物語が想像できるようになってきたのではないでしょうか。
 これで、ハウルの城が「攻められる」というシーンも描けます。
 あまり関係ありませんが、「数ヶ月前隣国を突如、荒野の魔女の軍団が襲
い、そこを占領した。インガリー国は隣国を救うために荒野の魔女に戦いを
挑み、現在戦争状態である」という歴史背景を付加しましょう。とても適当
な設定ですが、これで充分です(ハウルの心臓部がここではないため)。

 ■一番やっかいな部分──インガリー国周りの人間関係

 さてこの物語のもっと修正が必要かつ複雑なのが、このインガリー国周り
の人間関係です。なんと言っても、物語の舞台となるインガリー国の権力者
たちですから、この部分の設計次第で、かなり物語が違ったものになってき
ます。
 人物をリストアップしてみましょう。

 王様
 └ジャスティン王子(王様の弟であることに注意・軍事の天才)
 └サマリン(宮廷魔術師)
 └キャトラック伯爵(王弟を探しに行った若者)
 └ヴァレリア王女(王様の娘。赤ちゃんであることに注意)
 └ペンステモン夫人(サマリンとハウルの師匠。86歳)

 さて見えてきたでしょうか。
 このうち、ジャスティンとサマリンが行方不明で、キャトラック伯爵は役
立たず、ヴァレリアは赤ちゃんで、ペンステモン夫人は途中で荒野の魔女に
殺されます。王様周りの人材が失われている事に気付くでしょうか。これが
この人物関係の特徴です。つまり「王様周りの優秀な人材」がいなくなった
ため、ハウルが必要になったという構図が描けます。
 ジョーンズは本当に無造作にこの辺りを描いていますが、きっと背景世界
の動きに敏感なジブリは、この部分を上手く機能させるでしょう。
 ジョーンズは、「背景世界を変化させる」ことは不得意のようです。
 ジブリはきっと、「荒野の魔女との戦争状態」からはじめ、「サマリンが
行方不明」「ジャスティン王子が行方不明」といったように、次々と王様の
駒が減っていくという演出を試みるはずです。そして、王様がハウルにお願
いをするのも、「物語が始る前」ではなく「物語中で」という形に変えてく
るはずです。そのような変化が、物語の奥行を与える事は自明ですし、原作
上のストーリー展開を変えることなく、あのハウルの引き延し戦略を何とか
背景世界と結びつけるには、「背景世界のスタートをもっと前にする」事が
とても楽な方法です。
 ジョーンズはいきなり「もう二人が行方不明で、王様はハウルにお願いを
した」という状況からはじめてしまいますが、これはあまり賢くありません。
そこで、まず戦争を描き、二人が次々と行方不明になるシーンから始めま
しょう。
 どうです?
 少しはイメージがわいてきましたか?

 続いて、キャトラック伯爵ですが、現状では全く役に立っていないので、
荒野の魔女の手下にします。ジョーンズのジョークが消えてしまうのは残念
ですが、背に腹は換えれません。無意味な人物は映画のシナリオには致命的
です。
 また、ペンステモン夫人の死ですか、あまりにもあっさり(無造作に)描
かれているので、もう少し印象的なシーンにしましょう。戦争中に、出てこ
ようとして殺されるのがいいでしょうか。サマリン→ペンステモン夫人→ハ
ウルという順に、王様が頼りにし、中盤付近から、ハウルしかいなくなると
いう展開が理想的と思います。

 さてずいぶん変りましたね。
 でも、きっと大丈夫。なんたって、わたしはハウルの心臓部には、いっさ
い触れていませんので。ジョーンズがサボった部分を、付加的に効率を上げ
ただけです。きっとこう言った部分には、ジョーンズは興味がないのでしょ
う。しかし、映画には必要な部分です。

 今号はこの辺りまでにしましょう。

 ● 04 ● キラーブックに出会ってしまった……。           :[ 06 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄

 今号の新・物語解析はいかがだったでしょうか。
 若干遅れてしまいました。本業が忙しいというのが一つの原因ではあるの
ですが、実は、結構文章量があり、かなり面白い本に出会ってしまったのです……。

 「一万年の旅路」

 ネイティブ・インディアンの口承史を一冊の本にまとめたものです。これ
が抜群に面白い……。朝鮮付近から始って、アメリカのエリー湖まで移動し
た「歩く民」の口承の全てなのですが、面白いです。お勧めです。
    

 あ、忘れてました…。
 宿題、まだ受け付けてますので、お答え下さいませ。
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                           第二号   2004/06/28
   「 新 ・ 物 語 解 析 」
    〜 宮崎駿監督「魔法使いハウルと動く城」を原作からつくっちゃおう! 〜

 発行者:hikali
   文:hikali

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