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                           第7号   2004/11/22
   「 新 ・ 物 語 解 析 」
    〜 宮崎駿監督「魔法使いハウルと動く城」を原作からつくっちゃおう! 〜


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 ● 01 ● はじめに                      :[ 01 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄
 みなさん、こんにちは。
 新・物語解析「わたし流『ハウルの動く城』をつくっちゃおう!」
をお読みいただいて本当にありがとうございます。

 このメールマガジンは、11月20日より公開されている、宮崎駿監督
「ハウルの動く城」の公開に先駆け、その映画版ストーリーを原作より
作ってしまったという超早取りなメールマガジンです。

 原作となる「魔法使いハウルと火の悪魔」を読破していないとついて
これないかもしれない、豪快な企画ですが、みなさま最後までよろしく
お願いいたします。

 本日は、とりあえず見ての感想です。
 本格的な解析等は、読者のほとんどの方が見られているであろうと
思われる時期を過ぎましてから、お送りいたしますので、お楽しみに
していただければ幸いです。

 もし、これまでの経緯を読んでいない、昔のメールを探すのがめんどく
さいという事がありましたら、物語解析のページを更新し、バックナン
バーをお読みいただけるようにしましたので、こちらをご利用下さい。

 ■新・物語解析ページ
 http://www.seikou-toutei.com/nmk/

 本当に更新がされないページでごめんなさい。
 うーん、コマッタ。



 ● 02 ● 結局どうだったの? 映画版ハウル          :[ 02 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄
 えーと、観てきた率直な感想なのですが、
 「まずもってこちら側の、期待が大きすぎました」
 「でもまあ、このレベルで抑えていれば、まあまあか」
 「しかしストーリーはめちゃくちゃですな」
 といった三段論法で、何か豊富に書くネタをもらってしまったという
 気持ちです。

 細かな論調はYahoo掲示板のようなところで論じられているのが、
 おおよその一般の反応ですが、それを見ている限りは、映画館側が
 示した「B級」という評価は正しいように思えます。A級というのは、
 誰もが「まあまあ」以上の評価をするものですが、ハウルは酷評が
 目立つからです。

 わたしはあえて、「超A級」評価で望んだ映画館に行ったのですが、
 恐らく、立川という都市の客層が合っているのでしょう。2館が一時間
 おきに交互にA級室で放映するというすさまじい体制だったのですが、
 21:00の回まで満席でした。お客さんの反応は「悩む感じ」。
 わたしの反応は「あぁ、や、やっちまった…。これが怖かった」という
 感じです。

 Yahooの掲示板に面白い論評があり、それにわたしは大いに納得しました。
 「原作の世界」+「宮崎ワールド」+「現在の世界情勢」
 これが上手く融合し、その最小公倍数(それぞれのいい部分を活かしあった
 作品)となっていれば大満足なのですが、逆の最大公約数(それぞれの
 よさを可能な限り出した)に落ち着いてしまったことを見て、なるほど、
 ここがスタジオジブリの限界かと逆に納得をしました。

 これまで限界がないように見えていただけに、ああ、ここまでか、
 という気持ちが強く感じました。もちろん、最大公約数として上手くまとめて
 いるように思えます。それほど高いものを求めない、そこそこであれば、
 なっとくというのであれば、さすがに大枚はたいて作った映画という気は
 します。しかし、わたしが心配なのは「たぶん回収できない」という所。
 興行的には、多分赤字でしょう。
 
 心配していた「表現が難しいのでは」と思っていた部分は完璧に演出されて
 いました。特に、ソフィーの描写はわたしが頭で描いていた以上、木村拓也
 の幅広さも堪能でき、今回の映画は声優陣に助けられた感があります。

 また、技術功労賞に輝いたアニメーション技術も見ものです。
 よくぞここまでと感じはするのですが、どうしてもわたしはこの一言を言わ
ざる負えません。
 なぜ、一番お金のかからない(わたしにやらせれば一週間、15万円?)
 ストーリーで、こんなにも大惨敗をしてしまうのか。
 わたしとしては、ストーリーの技術を強く訴えなければ、やってられない
 作品となってしまいました。

 80点の原作(シェイクスピアを100点として)がありながら、40点の
 ストーリーが出来上がってしまうのを見ると、なぜ90点が作れないのか、
 と疑問に思ってしまいます。

 しかし、これはストーリーに対する評価です。
 映画としては70点ぐらいは行っていますので、まだごらんになっていない
 方も、あまり100点満点にこだわらずに見ていただければ幸いです。
 基本的に、80点以上の20点を稼ぐために、全体の80%の労力が裂かれると、
 システム開発の世界では言います。その20点を稼ぐ努力を怠った作品と、
 言い切れる作品でありますが、まあ、そんな品質を求めるのは、物語解析
 を書いているような、マニアな人だけです。マニアはそうなのね、と思い
 ながら楽しんでいただければ幸いです。

 長々と感想を述べましたが、技術的な欠点、そして、その解決方法につい
 てはまた次回。なんか、3回ぐらい稼げそうな、勢いです。
 お楽しみにしていただければ幸いです。

 ● 03 ● 編集後記 う、うわー、や、やっちまいましたね      :[ 06 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄
 わたしが危惧していたところが完全に露呈してしまう形になりました。
 単純に、「原作の大動脈を切断してしまい大量出血死した」
 という、ぶざまな状況でした。

 もちろん、ゾンビながらも、大枚はたいただけあって、なんとか見栄えは
 いいです。お金がかけられるということはなんてすばらしいことでしょう。
 ストーリーにあまりこだわらない人であれば、楽しめること請け合いです。
 本当に倍賞美智子はすばらしいですね。
 木村拓也も素晴らしかったです。
 でも、それは声優がすごいのです。
 決して、ストーリーではありません。
 次回以降、その話をしましょう。何億もの投資がされる作品にふさわしい、
 物語技術の話をしたいと思います。もっといい映画を観たい。
 わたしは、そうずっと思っていたいと思います。

 もし、ごらんになられた方がいらしたら(当然、このメールマガジンを読
んでいる方はご覧になると思いますが)、そのご感想をお送りいただければ
幸いです。

 解析の参考にいたします。

 ではまた。


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                           第7号   2004/11/22
   「 新 ・ 物 語 解 析 」
    〜 宮崎駿監督「魔法使いハウルと動く城」を原作からつくっちゃおう! 〜

 発行者:hikali
   文:hikali

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